クアラ・ルンプール ( Kuala Lumpur ( KL ) )

マレーシアの首都は、クアラ・ルンプール。新しい空港は、町の中心より離れてしまい(東京よりはもちろんまし)、シンガポールからは、車で行ってもあまり変わらない。5時間くらいで行けます。
この町は、マレーシアらしく、様々な文化・宗教、イーストとウェストが渾然一体となっています。

この美しいモスクは、正確に言うと、KLの南西25kmにある、スランゴール州(Selangor)の州都であるシャー・アラム(Shah Alam)にある。シャー・アラムは、元々スランゴール州の州都だったKLが連邦政府直轄になった際(ワシントンDCのようなもの)、新たに州都として建設された。
このモスクは、1988年に完成した世界で4番目に大きなモスクで、ミナレットは、高さ142.3mで世界一。正式名称は、スルタン・サラフディン・アブドゥル・アジズ・シャー・モスク (Sultan Salahuddin Abdul Aziz Shah Mosque)だが、普通は、ブルーモスク (Blue Mosque)と呼ばれている。外観もすばらしいが、中の装飾もすばらしい。マレーシアの新しい力と、イスラムの伝統が融合した芸術を言えるかもしれない。
KLの北13kmに、ヒンドゥー教の聖地であるバトゥ洞窟 (Batu Caves )がある。
下に見えるのが、入り口の門で、272段の階段を登ると、右上方のバトゥ洞窟に到着する。暑い中、結構登るのは、たいへん。
ここに来ると、インド系の人々の比率が急上昇。行ったのは、2003年2月初旬だったが、顔を黄色く辛子色に塗りたくった人がたくさんいたので、何かのお祭りだったのかもしれない。シンガポールでも、こういう光景を見たが、あまり真剣に考えなかった。火の上を裸足で歩くお祭りの時だったかもしれない。
バトゥ洞窟( Batu Caves )への階段には、なぜか番号が一段一段振ってあるが、何か意味があるのかはわからない。
これは、やっと洞窟が近づいて来たところ。
ここは、タイプーサムでも有名。タイプーサムは、ヒンドゥ教の本家本元のインドですら禁止されたという奇祭。シンガポールでも見たが、トランス状態となった信者が、鳥の羽などで飾った神輿のようなものを、一人一人担ぎ(腰に据え付ける)、その神輿のような飾りから出ている紐のようなもの先の針で、体のそこらかしこに刺す。そのまま飛び跳ねながら、練り歩き、最後ヒンドゥ教寺院にたどり着いてクライマックスを迎えるというものである。
シンガポール、KL在住者は、是非一度は、見ておきたいお祭りなのだが、KLの場合、最後にこの階段を登るわけで、シンガポールのよりは、相当きつい。
バトゥ洞窟(Batu Caves )の中。外光が入るようにはなっているが、天井は、かなり高く、中も広い。そこに、神々や、神殿がたくさん並んでいる。
正直言って、奇怪(きっかい)なのだが、宗教が奇怪(きっかい)なのは、いずこも同じ。程度の差である。
この山の中の洞窟内に寺院があるということで、神聖な雰囲気が満ちあふれている。
イスタナ・ネガラ(王宮、Istana Negara)

中には、入れないが、衛兵や、馬や、門の前で、皆記念写真を取っている。
この雰囲気も、シンガポールのイスタナと似ているが、要するに、イギリスが植民地化した時に、各国のスルタンを、バッキンガム宮殿風の豪邸に住まわせたのがそのまま続いているということなのだろう。
天后宮(Thean Hou Temple )

1989年建立の、東南アジア最大規模の中国仏教霊廟。
中国正月の時期だったので、赤提灯がたくさん飾られている。
一階がレストランになっていたりして、重厚さには欠けるが、KL在住の華人の憩いの場所になっている。
小高い丘の上にあるので、KLの街を一望にできる。
国立モスク (Masjid Negara)

1965年に完成した、東南アジア最大規模のイスラム教寺院。ミナレットは、高さ73m。右下に見える青い屋根が、礼拝堂だが、8000人が収容できる。
中は、半ズボン禁止だが、足が隠れるガウンのようなものを貸してくれるので、、中を見学できる。この気候なので、これを着ると、尚蒸し暑い。
外見は現代風だが、礼拝堂の中は、ステンドグラスが美しく、イスラムそのものである。
クアラ・ルンプール中央駅 (Stesen Keretapi / Kuara Lumpur Station)

シンガポール駅を起点とするマレー鉄道が、ここを通ってバンコック(たぶん)まで、通じている。ただし、乗ったことがある人の話だと、遅いし、景色は、椰子のジャングルが続くのみで、結構苦痛らしい。
この建物は、1910年に完成したそうだが、イギリス統治時代の建築らしく、エキゾチックである。
スルタン・アブドゥル・サマド・ビル (Bangunan Sultan Abdul Samad / Sultan Abdul Samad Building )

19世紀末期に建てられた、ムーア風の建物。元々連邦事務局ビルだったが、今は、最高裁判所になっている。時計塔の高さは、41m。
螺旋状の階段も見え、本当に美しい建物だ。
テキスタイル博物館 (Muzium Tekstil / Textile Museum )

1905年建造のコロニアル風の建物。赤と白のストライプが、一際、美しい。
マスジット・ジャメ (Masjid Jamek)

1909年に、セランゴール州のスルタンによって建造された、KLで一番古いモスク。KLの発祥の地とされる、2つの川の合流地点に立つ。
この美しいデザインは、クアラルンプール中央駅なども設計したイギリス人のABハボック氏によるもので、北インドのムガールモスク様式を取り入れながら、マレーシアらしい優雅さを表現している。すばらしいセンスだ。
ムルデカ(独立)広場 (Dataran Merdeka / Merdeka Squeare )

イギリスから独立した1957年8月31日、ラーマン初代首相によって、独立宣言のスピーチが行われた場所。写真には、写っていないが、ここの国旗掲揚塔は、高さ100mあり、その高さは世界一という。今も重要な国家行事は、ここで行われる他、クリケットの試合なども行われる。
左に見える建物は、ロイヤル・スランゴール・クラブのクラブハウスで、イギリス植民地時代からの社交クラブ。イギリスのチューダー様式であるのがわかる。シンガポールでもそうだが、植民地の支配者であったイギリスに対する感情は、悪くない。
KLで高い建造物といえば、ペトロナスのツインタワーと、このKLタワー ( KL Tower)
初めて行った時には、ペトロナスのツインタワーは、まだオープンしていなかったので、このKLタワーが、マレーシアの先進国振りをアピールする代表的な建造物だった。
山の上にあるため、地上421mもあり、世界で、4番目の高さを誇る通信塔である。
塔の高さは、地上276mであるが、十分な高さで、市内を一望できる。今でも、ペトロナスのツインタワーは、入場者が限られているので、KLタワーの方が、登りやすい。回転レストランもあり、予約をすれば食事も出来る。
塔そのもの、およびエレベーターホールのデザインなどは、イスラム風で、それもまた面白い。

KLで一番目立つペトロナスのツインタワー(Petronas Twin Tower)。何せ高さが452mもあるのだから、侮れない。88階建てで、シカゴのシアーズタワーを抜いて世界一にはなったが...台湾に抜かれ、今度は、上海にも抜かれる予定。
一方の塔を日本、一方の塔を韓国、空中廊下をフランスが建設。設計はアメリカと、まさにインターナショナルなビル。デザインは、モスクの尖塔(ミナレット)を思い起こさせる。東洋と西洋がマッチして美しい。ライトアップもある。
登ったことはないのだが、人数制限があり、結構登るのはたいへんらしい。
ペトロナスは、国営の石油会社で(ペトロ=石油。ナス=国営≒ナショナル)、いろいろ警戒しているのだろう。

セントラルマーケット(中央市場、Pasar Seni / Central Market)

いかにもアジアらしい(垢抜けない)市場。でも面白くて安から、遊び半分で、行ってみたら面白いかも。
よくて安いものをなんて考えていると裏切られる?
ちなみに、マレーシア土産の定番は、錫製品。ロイヤル・セランゴール社製が有名で、立派。ツアーだと、錫製品工場に連れて行ってくれることも多いので、そこで買うのも、記念にいいでしょう。
スリ・マハ・マリアマン寺院 ( Sri Maha Mariaman )

1873年に造られたマレーシア最大のヒンドゥ教寺院。シンガポールのヒンドゥ教寺院と基本的には、似ているが、日本から来た人は、見ておいた方がいい(ちゃんと靴を脱ごう)。
チャイナタウンのほぼ真ん中にあるのも、シンガポールと似ている。
寺院内の二輪馬車は、タイプーサムの時、バトゥー洞窟まで、引かれていくらしい。
Lot 10 (ロッ・テン)

マレーシアの歌舞伎町的存在なのだが、そのつもりで行くと裏切られる。泊まったホテルがブキッ・ビンタン(Buki Bintan)通りにあったので、とりあえず行ったが....
ちなみにブキッ(Buki)は、丘で、ビンタン(Bintan)は、星なので、ブキッ・ビンタン(Buki Bintan)は、星が丘という意味になる。
シンガポールにいると、この二つの単語は、自然に覚えるし、星が丘という日本料理のファミレスもある。Star Hill (やはり星が丘)というゴルフ場も、JBにある。
ここには伊勢丹もあるし、一応マレーシアの新宿と言っておこう....
ちなみに、手前のデコレーション(椰子の木を電飾したもの)も、ポピュラーなもので、イスラム圏(インドネシア、ブルネイなど)でよく見る。
正直、その美的感覚はよくわからない。
ペトロナスのツインタワー (Petronas Twin Tower)

ぼけぼけだが、ペトロナスのツインタワーも、KLタワーもライトアップされてきれい。
マレーシアは、人口3千万で、東南アジアの中では、大国とは言えないが、一生懸命がんばっている。