西蔵七日  SEVEN DAYS IN TIBET

第六日 (Day 6 )

朝、行程を聞くと、昨日の道をまたひたすら戻るのだそうである。一瞬絶句するが、思いの他、楽しめた。最初は、林芝の近くにある巴結巨柏林 ( Zangdong Forest ) に行く。読み方がわからないのだが、要するに巴結という村にある巨大な柏の木を見にいくのである。上り口には、土産物屋台が並んでいる。狐の毛皮が並んでいるが、これは売り物ではなく、頭に被ってチベット人風の写真を撮るのである。果物を駐車場に並べて売っている人もたくさんいる。そんなに買う人はいないと思うのだが...と思っていたら、中国人ご一行様がいろいろ買っていた(エライ!!)。



柏の巨木は、樹齢2000-2500年ほどだそうで、ボン経の開祖であるシェンラプ・ミウォの魂が宿っているのだそうである。ここで、パルマサンバヴァ(Palmasambava)という行者も、9年間瞑想(Meditation)したとのことで、ありがたい木である。ただし、シンガポールは巨木だらけなので、木自体にそう感動するわけではない。木の周りには、多数カタがかけられており、信仰の厚さを感じさせる。ここも、例によって、木の周りを、右回りに3回回るとご利益があるそうで、しっかり回る。タルチョもたくさんある。



帰りは、湖への寄り道がない分、のんびりできる。途中で、ニャンチェ川(Niyang River)の川原で、ヤクを追いかけたり、ありがたいカイラス山からガンジス川に通じる水で遊んだり(やはりさすがにひんやりしている)、小さな花(高山植物と思われる)に見入ったり、チベットの自然を満喫する。ただし、ヤクの糞がやたらに多いので、踏まないように要注意。





昼食は、新築の家が並ぶ村でになるが、村の説明の石碑によると洪水で流された後再建された人口92人の村とのことである。ただ、パンダ君がこっそり教えてくれたところによると、有名なチベット独立活動家(Nyapnさんと言っていたと思う)の出身地で、その活動家は、今北京で軟禁されているそうである。ご丁寧に、”治安模範村”というありがたいステータスもいただいているようだ。スーチーさんは、中国にもたくさんいる!家の造りは、チベット風の立派なもので、大麦作りと牧畜(豚、山羊)で、生計を立てているようだ。そういう事情もあり、中国政府が手厚く保護しているのだろう。



途中、土産物屋などもある。遊牧民(ドクバ)のヤクや羊の放牧している様子も見られる。遊牧民は生まれて初めて見るので、珍しい。モンゴルのテントと違い、テントの色は黒で、バと呼ばれているとのこと。放牧されているヤクの数も半端ではない。





この日の最後の見所は、バ・ラ峠 ( Kongpoba La )。ラサから3時間くらいの、息も絶え絶えに上っていったところ(本当に途中で止まってしまうのではないかと思った)にある。後から調べると標高4930mとあるので、本当であれば人生最高地点ということになる。ちなみに峠の石碑には、標高5013mとあるので、たぶん相当高いのは間違いない。標高が高くても短時間であれば、頭痛に悩まされることもない。峠のゲートには、タルチョがはためき、ヤクの石像は、タカでぐるぐる巻きになって、ミイラのようになっている。乞食同然の物売りが数人寄ってくるが、買わなかった。中国人ご一行は、しっかり買い物をしてあげている。エライ。
ラサに帰る途中、もう一回休憩するが、すばらしい景色である。麦刈りをしている人々も見える。このようなすばらしい風景が、ずっと続いていたことを思い起こし、二度と経験できない貴重な2日であったことを、今さらながら、しっかり胸に刻んだ。



翌日は早朝出発で時間もないので、ラサに帰ってから、最後にバルコルにもう一回行った。本当に面白い空間(スペース)である。またお土産を買うが、これもお土産のコーナーに飾ってあるので、見てください。ジョカン前のバルコル広場の先にデパートがあり、そこにも土産物がたくさん売っている。きれいに陳列されており、質もよいが、何せ高い。


いよいよ明日は最終日である。

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