西蔵七日  SEVEN DAYS IN TIBET

シルクロード本

2005 年に25年振りにスタートしたNHKの新シルクロードシリーズの影響で、巷には、シルクロード本、シルクロード企画があふれています。その中で、手元にあるものをご紹介します。いずれも、2005年上旬に入手可能なものみで、価格は、税抜きです。

題名 著者 出版社 価格 一言コメント
NHKスペシャル・新シルクロード NHK「新シルクロード」プロジェクト NHK出版 各1,800 新シルクロード本の決定版。全5巻。TVの内容と重複するが、よくできている。全巻予約者には、”タクラマカン砂漠の砂の砂時計”のおまけがついた。
シルクロード NHK取材班 NHK出版 各2,300 旧NHKシルクロード特集の本。全6巻で、38刷のロングセラー。解放されたばかりの中国で取材された番組は驚異の連続で、今は、歴史的価値さえある。
THE SILK ROAD
(DVD 3枚組)
NHK取材班 CENTRAL PALK MEDIA 忘れたが2万円位 日本でのNHK旧シルクロード特集のDVDは恐ろしく高いが(安くなって、デジタルリマスターされ、2005/11に再販された。デジタルリマスターで、マストかも?)、海外では英語版が廉価で売られている。ただし、解説は英語で、石坂氏の声では聞けない。
シルクロードベスト
(CD)
喜多郎 PONY CANYON 2,427 やはり、喜多郎氏の音楽は、CDで、じっくり聴きましょう。シルクロードを見る前に作曲したというシルクロードのテーマは、一度聞いたら忘れられない。
新シルクロードの旅 NHK取材班
監修
講談社 各2,000 新シルクロード本の汎用判。TVの構成とやや離れているので、ゼロからシルクロードを知りたい人に向いている。旅の予習にも使える。
新シルクロード・歴史と人物 NHK
平山郁夫
長澤和俊
講談社 各2,857 新シルクロードシリーズの豪華版。全20巻。究極のヴィジュアル本(本+DVD)。編集・執筆も最強コンビで、素人にもわかりやすく書かれている。
徹底ガイド・
NHKスペシャル
新シルクロード
平山郁夫
瀬戸内寂聴
立松和平
NHK出版 1,200 NHK新シルクロードシリーズスタートに先駆けて、出版されたガイド本。廉価で、写真も豊富で、とりあえずという人にはうってつけ。
シルクロードをゆく 岡内三眞指導 学習研究社 各648 全何巻になるかわからない不思議な月刊誌。売れ行きを見て、どこで止めるか決めるものと思われる。講談社+NHK路線と一線を画しており、面白い。
中国悠遊紀行 青木早智子他 小学館 各533 全50巻の中国紹介週刊雑誌。漢詩、英傑、中国史のコーナーなどの連載ものも面白い。時々古い写真が使われていて、びっくりすることもある。
シルクロード紀行 朝日新聞社 朝日新聞社 各560 シルクロードのコーナー完成前に、いろいろ本が出版される。まさに、シルクロードブームだ。このシリーズは、全巻50巻の大シリーズ。全部は、買えないが...相当気合が入っていそうな企画。
世界の美術館 講談社総合編纂局編集 講談社 各533 全100巻の美術館紹介週刊雑誌。ほとんどが欧米の美術館だが、陝西歴史博物館(97巻)で、シルクロード関係の美術をバランスよく解説している。
中国世界遺産の旅 講談社 講談社 各5,695 世界遺産の写真集は、既に、持っているので(ずいぶん前のだが)、買うまいと思っていたのだた、中を見ると、ずいぶんわかりやすく、かつ詳しく書いてあるので、思わず、買い始めてしまった。全4巻。
日経おとなのOFF 能勢剛編集 日経ホーム出版社 各648 2005/4号で、シルクロードを特集。典型的な便乗企画ながら、コンパクトにまとまっており、とりあえず、シルクロードに触れたい人向け。
李学亮
シルクロード写真展
李学亮 中国国家観光局(東京) 忘れたが1000円以内 オアゾの丸善で催された(2005/4)写真展のパンフレット。現物はすばらしい。ちなみにオアゾの名はオアシスから来ているらしい。
新シルクロード展
幻の都楼蘭から永遠の都西安へ
松本伸之監修 NHK
産経新聞社
忘れたが2200円位 2000/4から江戸東京博物館で催されたシルクロード展のパンフレット。タイムリーな企画で、展示物もすばらしい。松平定知氏の音声ガイドつき。
遣唐使と唐の美術 東京国立博物館
朝日新聞社
朝日新聞社 2000円位 「遣唐使と唐の美術」展(2005年)の図録。シルクロード関連の展覧会が続いている。いつ見ても、日本の展覧会の図録は、すばらしい。陝西歴史博物館等の所蔵品も展示された。
シルクロード
砂漠を越えた冒険者たち
ジャン=ピエール・ドレージュ著 創元社 1,400 西洋側から見たシルクロード本。特にマルコポーロの紀行について詳しく、中国、奈良サイドから見がちな日本人からは、珍しい内容になっている。
再見マルコ・ポーロ
「東方見聞録」
マイケル・ヤマシタ著 日経ナショナルジオグラフィkック社 3,800 この本も、マルコポーロの旅程を追って、ベネチアから、シルクロード、東南アジアを経てイタリアに戻るまでを追っている。写真が美しく、エキゾチック。この旅と重複する部分は、少ない。
玄奘の道・
シルクロード
鎌澤久也 東方出版 2,800 鎌澤氏の写真集。玄奘の辿った道を追い、写真集にまとめてある。手軽に行ける場所と行けない場所があるが、平易に書かれており、読み易い。
【図説】敦煌 大橋一章 河出書房新社 1,800 莫高窟の解説本では、もっとも平易で、写真もきれい。”地球の歩き方”とこの本で、莫高窟の予習はOK。
敦煌・三大石窟 東山健吾 講談社選書メチエ 1,800 莫高窟を一度見た人は、もっと深くこれらの石窟のことを知りたくなるに違いない。そのようなマニア向けの本。カラー写真は、扉の4ページのみ。
敦煌石窟
精選50窟鑑賞ガイド
樊錦詩
劉永増
文化出版局 1,700 敦煌石窟のガイドとしては、ハンディで、写真も多くベスト。行く前に買って勉強しておけばよかった.....
同社は全10巻、12万円也の写真集も出版している。
敦煌の美と心
シルクロード夢幻
山折哲雄
児島健次郎
雄山閣 2,500 敦煌の歴史、文化等を丁寧に解説してくれる。執筆陣の顔ぶれも多彩で、カラー写真の口絵も美しい。敦煌をより深く知りたい人向け。
シルクロード・
飛天の舞いに魅せられて
大塚清吾 大修館書店 2,400 著者の紀行本であるが、相当奥地まで、行っているし、本の題名も、中の写真も、装丁もよい。このような本を将来書いてみたいものだ。
敦煌の守護神
常書鴻自伝
常書鴻 NHK出版 2,200 莫高窟の保護と研究に一生を捧げた常(チャン)氏の自伝。元々画家である常氏は、模写も数多く遺している。常氏も文化大革命時は、吊るし上げにあったというから恐ろしい。その時期の記述が抜けているのが、悲しい。敦煌ファンは必読。常氏が行く前の敦煌は、砂に埋もれていたことがわかる。
シルクロードのロマンと文明の興亡 児島建次郎編 雄山閣 3,600 NHKのアナウンサーであった児島氏が、深い文化への造詣をバックに、知的好奇心をくすぐる1冊をロマンティック?ににまとめた。インド、日本の壁画との比較なども面白い。
シルクロードを知る事典 長澤和俊〔編〕 東京堂出版 2,900 この本を一冊読んでおけば、シルクロードのイロハは卒業。シルクロードを縦・横・斜め、いろんな角度から平易に説明してくれている。
シルクロード入門 長澤和俊 監修 東京書籍 1,700 シルクロードをわかりやすく、かつ薀蓄も交えて解説した、きれいでハンディな本。購入をお勧めする層がやや絞りにくいが、写真もきれいで、読んでも面白い。
スケッチガイド
遥かなるシルクロード
長澤和俊 里文出版 3,000 長澤氏の思い入れの一冊。見開き2ページづつ、シルクロードのポイントを、氏の挿絵付きで、紹介。差し詰め、シルクロード百三次といったところ。
地球の歩き方
西安とシルクロード
玄同社編 ダイヤモンド社 1,640 一般的な観光地ではないところを訪れる際は、やはり持っておきたい1冊。一般ガイドブックとは、書き振りが異なるので、自分の軸を持って読む必要あり。
永遠のシルクロード 平山郁夫 講談社 2,000 現在のシルクロード人気は、平山郁夫氏、井上靖氏、陳舜臣氏によるところ(NHKも)が大きいと思う。平山氏の200回にものぼるシルクロード渡航記と文化財保護に奔走する様子を描いた自伝の決定版。
玄奘三蔵
祈りの旅
平山郁夫 NHK
出版
1,800 薬師寺玄奘三蔵院大唐西域壁画殿の壁画作成の過程を軸に、平山画伯とシルクロードとの関わりを綴った感動の書。
平山郁夫と
玄奘三蔵法師
ものがたり
「美術の窓」
編集部
編著
生活の友
1,429 平山画伯と玄奘の辿った道を、絵と写真で、綴ったガイド本。写真がきれいで、読みやすく、わくわくする。
シルクロード悠々 陳舜臣 文芸社 1,600 ざっくばらんなエッセイ集。いろんな薀蓄も散りばめられており、読みやすく、シルクロードを文章で楽しみたい人には、ベストな本ではないか。
シルクロード旅ノート 陳舜臣 中央公庫 743 ”シルクロード悠々”同様、読み易いエッセイ本。写真も適度に掲載されており、目でも楽しめるように工夫されている。
シルクロードの旅・
西域巡礼
陳舜臣 たちばな出版 1,600 陳氏の薀蓄あふれるシルクロード旅行記で、1977年と1980年に初めて世に出たものである。
シルクロード、ひと夏の旅 伊藤実 ふくろう 2,000 伊藤氏は、1951年生まれの画家とのこと。一月半に渡るシルクロード旅行を一冊の本にまとめあげた。本人のデッサンの挿絵も楽しい。
馬仲英の逃亡
シルクロード
さまよえる湖
スヴェン・ヘディン 中央公庫
BIBLIO
各1,000 スウェーデン人のへディンの中央アジア探検三部作。探検本で名高いが、政治的にわかりにくい部分も。莫高窟を幻滅だったと言っているが何故だろう。
ヘディン交遊録 金子民雄 中央公庫
BIBLIO
1,143 ヘディンの交友を通して、へディンの人生を浮かび上がらせる見事な手法。当時の歴史的な背景、列強の力関係、各国リーダーの人柄等も興味深い。
コータンの廃墟 オーレル・スタイン 中央公庫
BIBLIO
743 ハンガリー生まれのイギリス人であるスタインの探検記。ヘディンのより、よく発掘の様子がわかる。ダンダン・ウィリーク遺跡は、それ以来100年間も行方不明になっていた。
中央アジア秘宝発掘記 ル・コック 中央公庫
BIBLIO
800 ドイツ人であるル・コックの発掘記。石窟壁画の剥ぎ取りで、悪名高いが、それによって破壊を免れたものもあろう。遺跡の保存は、難しい....
西域
探検の世紀
金子民雄 岩波新書 740 策謀渦巻く、20世紀初頭の西域の探検合戦の様子を、当時彼ら自身も知らなかった情報・背景も交えて、描いている。このマニアック度はすごい。
シルクロード 長澤和俊 講談社学術文庫 1,350 シルクロード研究の第一人者である長澤和俊氏のシルクロード研究本。素人にもわかるようにかかれている。著者の挿絵もすばらしい。
秘境西域八年の潜行 西川一三 中央公庫
BIBLIO
952 どちらかというとチベット、モンゴルの部分が多いが、体験記として、中身も、書き振りも、かなり面白い。今となっては、極めて貴重な記録になっている。
西域をゆく 井上靖
司馬遼太郎
文春文庫 476 今は亡きお二人の対談。お二人が、シルクロードについての造詣が深いことが伺い知れる。表紙も、解説も、ご丁寧に平山郁夫氏である。
敦煌 井上靖 新潮文庫 438 井上靖さんの名著。そのダイナミックさには、脱帽。ただし、井上さんは、敦煌に行く前にこの小説を書き上げたのだという。
砂の海
楼蘭・タクラマカン砂漠探検記
椎名誠 新潮文庫 438 探検家椎名誠の1988年の探検記。椎名氏は、小学校のころ、ヘディンのさまよえる湖を読んだことがきっかけで、探検家になったという。20年足らず前の探検だが、まだまだ秘境であったことがわかる。
敦煌(DVD) 佐藤純彌監督 角川映画 4,700 シルクロードファンはMUSTの映画。敦煌では、いまだに、映画セットツアーもある。ただ、戦闘シーンの兵隊の数は、今ならCGで増やしているところ。
天平の甍 井上靖 新潮文庫 400 遣唐使、鑑真の渡日をテーマにした小説。当時の日中両国の様子がリアルに描かれており、シルクロード全盛期の世界にタイムスリップできる。
楼蘭 井上靖 新潮文庫 514 へディンの探検記から着想を得たと思われる短編ノンフィクション風歴史小説。おどろおどろしい伝説を元にした話など、他にもたくさん載っている。
西遊記 村上知行 光文社文庫 各619 西遊記は、玄奘法師の西域への旅が永年に渡り言い伝えられ、物語となったものであるが、訳本も様々。全2巻の本西遊記が一番手頃で、読み易いのではないか。言い伝えと奇想天外な話がごちゃごちゃで、訳もユニークで面白い。
始皇帝陵と兵馬俑 鶴間和幸 講談社学術文庫 1,000 始皇帝陵、兵馬俑関連の本で、比較的新しいまじめな本。薀蓄も含めて、この程度の知識を身に付けていくと、実際行った時に面白さが倍増する。
死して更に生きた
秦の軍陣
孟劍明編 陝西旅遊出版社 忘れたが2,000円位 兵馬俑博物館の土産物屋で、発見者のお爺さんのサイン入り本が買える。写真がよく撮れており、説明もリーズナブル。お勧め。
西安碑林博物館 曹剛編 陝西人民出版社 忘れたが3,000円位 博物館内で購入。石碑だけではなく、その他の展示物も合わせて、載っている。特に、迫力のある石造類や、仏像類の写真が見れるのはうれしい。
西安碑林百園集賞 西安碑林博物館編 陝西旅遊出版社 忘れたが1,000円位 碑林博物館にある石碑の内、代表的な100点あまりの石碑の拓本を小さく印刷した本。実物大の拓本には、全く敵わないが、一通り楽しめる。
陝西歴史博物館 陝西歴史博物館編 陝西旅遊出版社 忘れたが4,000円位 やや高いが、陝西博物館を代表する展示物が、きれいに載っている。後から、思い出す時に、便利。まさにシルクロードの終着点にふさわしい内容。
敦煌石窟の珍品 莫高窟研究所編 香港廣彙貿易有限公司 忘れたが3,000円位 案内してくれたリュウ研究員も製作にかかわった、現時点では、ベストのカタログ。見飽きない。時代順に、主な石窟(他の石窟も含まれる)を、紹介している。写真、説明ともすばらしい。言えば少しまけてくれる。

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